銘木の新用途

銘木の定義は時代とともに変化する可能性があります。今までは高樹齢がひとつの要件でありましたが、仮にそうでなくても形状や杢目に特徴があり、存在感があれば銘木としての位置づけもあり得るかもしれません。どこまで人々の感性に訴えることができるのか、またその木が持っているストーリーも大きな価値を生む時代です。更に斬新なデザインや新しい塗装や加工で付加価値をつけることも十分可能です。
銘木は多くが数百年から中にはヤクスギの様に樹齢千年以上というものもあります。限られた日本の貴重な天然資源を有効に使って業界発展に貢献することは必要です。

新用途の種類

銘木とは

銘木とは、木材や板材の中でも希少な杢があるものや材種自体に希少価値のあるものを指します。しかし、特別な定義はなく、高樹齢(100年以上、200年以上)の要素も以前は業界内では重視されていました。
戦後木造住宅が多数建築され、和室主体のライフスタイルにより、床材や鴨居・長押等の造作材や天井材が銘木の中心を占めてきました。また寺社仏閣等の構造材にもケヤキ、ヒノキ等が多く使われました。

ライフスタイルの変化

しかし、和から洋への文化の移行が進み、和室が洋間に変わり、和室造作材としての銘木の使用が激減して現在に至っています。
最近では洋へのライフスタイルの変化により、銘木はテーブルやカウンター、さらには家具や椅子としても使われ、さらにギターやバイオリンその他弦楽器の部品等にも利用されています。また、小物を中心として木工芸品としても多く使われています。

ケヤキとスギ問題

住宅着工が150万戸を超えた時期(1880年~1990年)和室需要も旺盛であり、銘木の主役はケヤキやスギでした。ケヤキは大黒柱や床の間等にも使用され、スギは造作材や天井等に多く使用されました。しかしライフスタイルの変化とともに、求められる価値観も変わってきました。
ケヤキの重厚さやスギの奥ゆかしさ深みといった特徴は不変ですが、以前のままの使い方では現状の住宅にはマッチしづらくなってきているのも事実です。

世界的に誇れる品質

スギは合板や構造材として需要は拡大しています。しかし高樹齢材(50~100年以上)となると、需要も限定的で資源量と需要のミスマッチが生じています。
ケヤキは硬さや加工性、耐久性とも世界三大銘木であるチークに匹敵する良質材であります。ケヤキ、スギとも国内にはかなりの資源量があり、これらの有効利用こそが銘木業界の未来を決定づけます。日本は南北に長く四季があり、そこで生育する銘木の樹種は世界中でも極めて多く世界でも有数の資源国です。住宅はもとより、今後伸びるであろう非住宅(ホテル、ショールーム、店舗等)やオフィスの木質化の一部へも十分利用できるチャンスがあります。
またテーブルやカウンターだけでなくオブジェやドアやキッチンなどの住設商品への利用も可能です。

銘木の未来

銘木は木材の中でも宝石のような存在であり、まさしくオンリーワンの商材です。
この貴重な資源を捨てたり燃やしたりすることなく端材も小物や組み合わせて使うことにより、新しい空間を創出することができます。また突板のすることで何倍もの価値を生み出すことも可能です。
また鉄、石、紙、タイル、ガラス等異素材とのコラボレーションにより、全く新しい商品を創り出せる可能性も大であります。伝統産業である銘木業界を新しいチャレンジで成長産業として進化させることが我々の課題です。

木材のプロが提案する新たな可能性

木材は、私たちの生活になくてはならない資材です。そして、木材の使い方も日々進化し続けております。
こちらでは、木材のプロが今までない新たな銘木の使い方を提案します。

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